治療院の位置づけ
治療院以外でお会いする方で、過去に鍼灸を経験したことのある方から、
「鍼って、すぐまた戻っちゃいますよね」というお言葉を聞くことがあります。
きっと、そうお思いの方は、<痛くなったら1回または数回で痛みが完治>を
イメージしていらっしゃるのだと思います。そういったとらえ方は、施術者とは
ズレがあるなと、勉強になります。
整形外科的分野で鍼灸にいらっしゃる方の主な要因は、傷める箇所に過度に負荷が
かかることです。(症状により他の要因もあります)
なぜ過度に負荷が集中するかというと、筋力の低下によるもの、不良姿勢、使い方の
問題、その他いろいろです。
鍼灸を利用しようと思うきっかけの痛みが短期的に取れたとしても、日常がこれまで
通りだと、再び繰り返すのは当然と思ってしまうのですが、そう思う方は多数派ではありません。
私たちの仕事は、痛みの改善はもちろんですが、これから先、ご自身の身体と付き合っていく
上で、改善点をお知らせし、その人にあった方法をアドバイスします。
姿勢や使い方を変えていくのは、一朝一夕ではいきません。今まで意識していなかったことを
意識するのって、それだけで大変です。でも、逆にポイントさえわかれば、とても些細なことで、
大した努力なく、心地いい身体に変化していきます。
身体って、つくづくやったことの結果でできていると思います。
変わっていく自然な期間は、数か月、半年、1年といった感じです。
結果、通っていただく方が増えることになります。
私の考えでは、気になる症状を落ち着けるまでは10日から2週間に1度くらい、落ち着いたら1か月に
一度くらい、人によっては四半期ごと、または半年くらいに1回といった感じで、メンテナンスに
いらっしゃることを理想としています。その間、ご自身なりに身体を動かしたり、姿勢を意識したりが
加わると、更にいい感じになります。
長いお付き合いのお客様は、「何かあっても聞けるところがあるのってとても安心します。」と
おっしゃってくださいます。
そういったお言葉が、心の励みにもなります。