鍼灸で“脳のスイッチ”をOFFに。脳疲労をやさしく整える方法
名古屋・伏見エリアの鍼・灸・指圧の治療院『Lighpe(ライペ)』です。
最近、「ちゃんと寝ているのに疲れが取れない」「なんとなく頭が重い」という方はいませんか?
もしかすると、その原因は“脳の疲れ”=脳疲労かもしれません。
今回は、そんな「脳疲労」についてお話したいと思います。
この「脳疲労」という状態を正しく知ることから、心身の不調を整えることに繋げてみませんか?
ちなみに、今このブログをスマホやパソコンでじっと読んでくださっている方、少し画面から目を離して、深呼吸してみましょう。
ほんのひと息つくだけでも、脳は少しリラックスできるんですよ。肩の力を抜いて、ゆっくりと読み進めてみてくださいね。
情報の洪水が“脳のゴチャゴチャ”をつくる
スマホやSNS、仕事や家の連絡など、私たちのまわりには毎日たくさんの情報があふれていますよね。
「平安時代の人が一生かけて得る情報量を、現代人は1日で処理している」
そんなふうに例えられるほど、 私たちの脳は膨大な情報の中で働き続けているそうです。
そう考えると、私たちの脳がどれほど忙しく働いているか、少し想像できるのではないでしょうか。
脳の中には「海馬(かいば)」という、情報を一時的に整理するスペースがあります。でもその広さは、部屋の“トイレ”くらいのごく一部分。そこに一気に大量の情報が流れ込むと、あっという間に整理が追いつかなくなってしまいます。
たとえば、本が床いっぱいに散らばって足の踏み場もない部屋で、必要な一冊を探しているような状態です。
頭の中がごちゃごちゃして「集中できない」「気が散る」「ぼんやりしてしまう」こんな状態は、情報が整理しきれず脳が疲れているサインなんですね。
本来なら、お風呂に入っているときや空をぼんやり眺めているような時間に、脳は静かに情報を整理しています。ところが今は、その時間にもスマホを手放せず、余白の時間がどんどんなくなっています。
これが、知らず知らずのうちに脳に疲労がたまってしまう背景なんですね。
常に“ON”のままでは、心も体も休めない
情報に囲まれた生活は、脳だけでなく自律神経にも大きな影響を与えています。
自律神経は、活動モードの「交感神経」と休息モードの「副交感神経」のバランスで、私たちの体を支えています。本来であれば、日中は交感神経が働いてアクティブに過ごし、夜になると副交感神経が優位になって心も体もゆったりと休む。そんな自然なリズムがあります。
ところが、現代ではこの切り替えがうまくいかない人が増えているんです。
夜になってもスマホを見続けたり、LINEやメールで仕事の連絡がいつどこにいても入ってきたり…。便利なはずのツールによって、交感神経がずっと“ON”のままになってしまい、脳も体も休むタイミングを失っています。
実は、脳にとって“ぼーっとする時間”はとても大切なものです。
寝ているときや、お風呂・散歩などで意識的に考えていない時間に、脳は静かに情報を整理し、「これは必要」「これはいらない」と取捨選択をしています。
昔の偉人たちが、お風呂や散歩中にひらめきを得たという話も、偶然ではありません。頭を休めているように見える時間に、潜在意識が情報をつなぎ合わせ、新しい発想を生み出しているのです。
もしこうした余白の時間がないと、呼吸が浅くなったり、筋肉がこわばったり、ちょっとしたことでイライラしてしまったりと、心や体にさまざまなサインが現れます。
それでも多くの方が、そうした不調を感じながらも「まだ大丈夫」と頑張り続けてしまいがちです。
「休む=怠ける」と感じる方も少なくありませんが、休む時間をきちんと取ることは、心も体もリセットされ、毎日の生活や仕事をスムーズに回していくために欠かせないもの。休むことは“ブレーキ”ではなく、“整える時間”なんです。
だからこそ、日常の中でほんの少しでも、交感神経のスイッチをOFFにする時間を意識的に持つことが大切です。
鍼灸や指圧で“脳のスイッチ”をOFFに
「頭では休みたいのに、気持ちが落ち着かない」「なんとなく常に考えごとをしてしまう」
そんな経験はありませんか?
脳を直接“オフ”にしようと頑張っても、なかなかうまくいかないものですよね。
そんなときにおすすめなのが、鍼灸や指圧など、身体を通して脳に働きかけるケアです。
ツボへの刺激や、やさしい手技によって身体の緊張がゆるむと、それに連動して脳も自然と休息モードに切り替わっていきます。
今はまさに、社会全体が大きなストレスにさらされ、脳が疲れやすい時代になってきています。
以前は「頭をマッサージするくらいなら体をほぐしてほしい」という方のほうが多かったのですが、今は頭のコリや重さを感じている方が本当に増えました。
生活スタイルや情報量の変化によって、体の疲れより“脳の疲れ”が不調の原因になるケースがとても多くなっているのを実感しています。
こうした場合は、局所的な施術だけでなく、リラックスできるように体全体のバランスを見ながら施術を行っていきます。
ご希望や症状に合わせて、頭への鍼を取り入れることも可能です。
頭部には自律神経や脳の血流と深く関わるツボが多く、鍼を打つことで頭の重さがスッと軽くなったり、思考が整理されるような感覚を得られる方も多いです。
「頭に鍼」と聞くと怖いと感じる方もいるかもしれませんが、実際には浅くやさしく打つだけなので安心です。もちろん無理に行う必要もなく、指圧など他の施術でも十分にリラックス効果が得られます。
また、施術をしていても、過去や未来のことばかり考えて「今ここ」に意識が向けられず、なかなかリラックスできない方も少なくありません。
オンとオフの切り替えが上手な方は、施術中に深く眠ってしまうほどしっかり休むことができ、心身の回復力も高い印象があります。
ぜひ施術中だけでも、力を抜いて心身をゆるめる時間にしてみてくださいね。
忙しくてなかなか自分の時間がとれない方こそ、こうした“身体から脳を休ませる時間”を意識的に取り入れることで、心や脳もふっと緩むのを感じられ、心も体も少しずつ整っていきますよ。
脳疲労は、誰にでも起こりうる現代の“見えない疲れ”です。
でも、ほんの少し意識して休む時間をつくるだけでも、心と体はちゃんと反応して、少しずつゆるみ始めます。
疲れを我慢し続ける前に、体と脳の声に耳を傾けてみませんか?
Lighpeでお待ちしております。
次回は、自律神経と鍼灸の関係について、もう少し詳しくお話していきます。どうぞお楽しみに。