鍼灸師が選ぶ “推し” お灸と鍼アイテム6選
名古屋・伏見エリアの鍼・灸・指圧の治療院『Lighpe(ライペ)』です。
当院では、鍼灸に加えて指圧マッサージも行っています。
施術の基本はやはり“手”ですが、実は紹介したい“推し道具”たちがいます。
手だけでは届きにくい部分をやさしく支えてくれる、小さな助っ人のような存在です。
近年はメーカーさんの工夫も進み、昔ながらのお灸や鍼がどんどん進化しています。
今回は、私が普段の施術で愛用している“推し道具”たちを、いくつかご紹介したいと思います。
きっと「へぇ、こんな道具もあるんだ」と楽しんでいただけると思います。
箱灸(六角形ヒノキのスモークレス灸)
最近の”最推し道具”は、六角形のヒノキ箱にスモークレスのもぐさを入れて使う「箱灸」です。

見た目はシンプルですが、体に乗せるとじわじわと深く温まり、20分ほどで全身がふわっとゆるんでいくのを感じます。
腰や背中、お腹などに置くことが多く、軽いので乗せている感覚もほとんどありません。煙が出ないので、治療院の空気がこもらず、とても使いやすいのも嬉しいところ。
「言葉数が減ってきたら、緩んだサインですね」とお伝えしたくなるくらい、みなさん静かにリラックスされます。
特に冷えや緊張を抱えやすい方には、施術の最初に箱灸で体を温めることで、表面の“パツン”としたこわばりがほぐれ、より深い部分のこりまで施術が届きやすくなります。
まるで体の「ほぐれる準備体操」をしてくれているようで、寒くなるこれからの時期には出番が増えそうです。
温灸器(電気式のお灸)
試しに取り入れてみて感動したのが、火を使わない「電気式のお灸」です。

電気なのに、お灸特有の“じんわり深く入ってくる熱”がしっかり感じられるんです。体の内側がふわっと温まってくるような、そんな心地よさがあります。
首のつけ根や髪の生え際、目のキワなど、普通のお灸だと少し扱いづらい場所にもぴったり。美容のケアにも応用できそうだなと思っています。
熱の入り方がしっかりしているため、使用には資格が必要です。安全を大事にしながら、短い時間でちょっとずつ温めるようにしています。
電気式なのに“お灸らしさ”がちゃんとある、頼もしい道具です。
パルス(電気鍼)
鍼に小さなクリップをつけ、リズムのある微弱な電流を流していく道具を「パルス」と言います。

以前はこの“ピクピクする感じ”が少し苦手であまり使っていませんでしたが、通常の鍼だけではどうしても取り切れない“根深いこり”に出会うことがあります。
そんな時にあらためてパルスを使ってみると、思いがけず、深い部分にスッと変化が出る場面が増えてきたのです。
当院では、通常の施術で変化が出にくい時のサポートとして、刺激を最小限に抑えながら使用しています。
棒灸(かざすお灸)
棒状で、火をつけて肌の上に「かざす」タイプのお灸です。タバコのように見えますが、もちろん中身はもぐさ。

これを背中や腰にかざすと、「あれ?乗せてます?」と言われるくらい、じんわり重みのある温かさが広がります。見た目に反して、かなり深く熱が入る優秀な道具です。
必要に応じて、施術の途中で短い時間だけ使うことが多いです。
台座灸 & 円皮鍼
普段の施術で欠かせない“定番”の道具が、台座灸と円皮鍼(置き鍼)です。
台座灸は、先にもぐさ、下にシールがついたお灸で、ツボに貼って火をつけるだけ。お灸と聞いて、多くの方が思い浮かべるのがこのタイプかもしれません。

顔まわりなど煙が気になる場所には、煙の出ないタイプを使っています。ほんのりあたためて、めぐりがふわっと整っていくのを感じることができます。
円皮鍼は、施術の最後に使うことが多い“仕上げ役”。

小さなシールの真ん中に短い鍼がついていて、弱い刺激を1〜2日かけてゆっくり届けてくれます。普通の鍼がしっかりと刺激を入れるのに対して、こちらはやさしく穏やかに働きかけてくれる感じ。違うアプローチなのに、どちらも体を整えてくれるのが面白いところです。
派手さはありませんが、毎日の施術を支えてくれる、頼れる相棒たちです。
“手×道具”でかなえる、やさしく深いほぐれ
お客様の体の状態を丁寧に感じ取りながら、手の感覚を頼りに 「今日は箱灸が合いそう」「ここは細かい熱がよさそう」と、その人に合う道具を毎回選んでいます。
とはいえ、私の基本の考えは「ほぐすための刺激は、できる限り優しく」。
体は強い刺激に慣れてしまうと、次第に“もっと強く”を求めるようになり、それがかえって回復を遠回りにしてしまうことがあります。だからこそ、無理のない優しい刺激の中で、自然にゆるんでいく感覚を大切にしています。
道具を取り入れることで、新しいほぐれ方や変化に気づくことも多く、「こんな反応をするんだ」と驚かされることもしばしば。長く通ってくださる方ほど、その違いを敏感に感じ取ってくださいます。
手での施術を中心に、必要に応じて道具の力も借りながら整えていけるところが、当院らしさなのかなと思います。これからも、ひとりひとりの体に寄り添いながら、やさしく、より良い方法を探していけたらと思っています。
おまけ:文鳥にも“お灸パワー”を感じた話
余談ですが、うちには高齢の文鳥がいます。足腰が弱り羽ばたきも不安定になってきたので、棒灸をそっとかざしてあげるようにしました。すると少しずつ元気が戻り、今も運動機能は落ちてきているものの、よく食べてしっかり出してくれるので「内臓はまだ頑張ってくれているな」と感じています。
小さな体でも心地よい刺激をきちんと受け取り、持っている力を発揮するんだなぁと実感します。
巡りを整えて自然治癒力を引き出すという点では、人も動物も同じですね。
今回ご紹介した道具たちは、どれも私の“推しアイテム”たち。
小さな工夫ひとつで、体のゆるみ方が変わるのが面白いところです。
「ちょっと試してみたいな」と思われたら、ご来院の際にお声かけください。
一部のアイテムは当院で購入できますので、実物を手に取りながらご自宅でのセルフケアに取り入れる方法もご案内できます。
あなたの体にしっくりくる“推しの一手”を、一緒に見つけていきましょう。