体の歪みはどこから来る?姿勢や運動の前に知っておきたい体の仕組み
名古屋・伏見エリアの鍼・灸・指圧の治療院『Lighpe(ライペ)』です。
今後のブログでは、「体の歪み」や「姿勢」「運動」についてお話していきたいなと思っています。
ただその前に、体の基本的な作りについて、少しだけお話しさせてください。
というのも、「今、自分の体がどんな状態なのか」をきちんと理解できているかどうかに、人によって大きな差があると感じるからです。
体の仕組みや動きがイメージできるようになると、「ここに負担がかかっているのかも」と自分の体を見直し、気をつけるポイントがわかりやすくなります。
そうすると、どんなケアが合いそうかも、自然と考えやすくなってきます。
運動する時も、体の状態を意識しながら動かせる分、より良好に体を使えるようになると思います。
今回は、 施術現場でよく感じる「誤解されやすいポイント」を中心に、
体の仕組みをざっくり整理してみようと思います。
よく聞かれる「それって筋肉ですか?スジですか?」
施術をしていると、よく聞かれる質問のひとつに、
「それって筋肉ですか?スジですか?」というものがあります。
こちらは正直なところ、どう答えればいいのか少し迷ってしまいます。
なぜかというと、「スジ」という言葉で想像している部分が人によってかなり違うことが多いからです。
筋肉のことを指している方もいれば、腱のような硬い部分を思い浮かべている方もいます。
中には、靭帯のことをまとめて「スジ」と呼んでいたり、ピンと張る感覚や神経の反応を「スジ」と表現している場合もあります。
なので、「スジって、どんなものをイメージしていますか?」とお客様に聞いてみると、ほとんどの方が「うーん…」と少し考え込まれるんですね。 それだけ「スジ」という言葉は、わりと感覚的に使われているんだなと感じます。
まずは、このあたりを整理してみます。
「スジ」と言われがちなものの正体
筋肉・腱(けん)・靭帯はよく混同されがちです。
まず、筋肉の主な働きは、体を動かすためのものです。
動かすことを主な働きとしている筋肉は、前後ろや内側と外側など、ペアで動き、主に片方が縮むことで身体を動かしています。その他にも内臓を支えたり、熱を発したり、血液を運ぶなど多岐にわたる重要な役割がありますが、今回は運動筋に集中してお話しします。
その筋肉の端には、骨にくっつくための、少し硬い部分があります。
これが「腱(けん)」です。
触るとコリコリしていることが多く、よく聞く「スジが張っている」と言われる場所は、腱の場合もあれば、固まった筋肉を指している方もいらっしゃいます。
一方、靭帯は、関節と関節をつないで、動きすぎないように支える役割をしています。
ガチガチに固定するものではなく、適度な「ゆらぎ」を持ちながら、関節を安定させてくれています。捻挫などは、この靭帯に過度な負担がかかった状態ですね。
余談ですが、「関節は柔らかい方がいい」と思われる方も多いのですが、実は、ゆるすぎてもズレが起きやすくなってしまいます。靭帯がストッパーとして働き、その上で筋肉が本来の役割をはたしている。このバランスが、とても大切なんですね。

このように、筋肉・腱・靭帯はそれぞれ役割が違いますが、日常会話では区別なく「スジ」と呼ばれていることが多いように感じます。
「スジが痛い」「スジを違えた」という表現もよく聞きますが、実際には筋肉に炎症やダメージが出ているケースが多い印象です。
「骨が曲がっている」「骨が歪んでいる」は本当?
次によく聞かれるのが、「骨が曲がっていますか?」「骨が歪んでいますよね?」
という質問です。
ですが、基本的に、骨そのものが曲がることはまずありません。
骨は一本の棒ではなく、実際にはたくさんの骨が積み木のように重なってできています。
そのため、体の歪み=骨が歪んでいる、ではなく、積み重なった骨同士の位置関係が少しずつズレている、そうイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
体の歪みはなぜ起きる?日常の使い方との関係
体の中では、骨が免震構造のように揺らぎのある柱の役割をしつつ、そのまわりを筋肉や靭帯がバランスを取りながら支えています。その力のかかり方が少しずつ偏ってくると、引っ張られたり押し付けられたりしながら、気づかないうちに骨同士の位置関係が変わっていくことがあります。
そうした変化が、「歪み」や「ズレ」として感じられる状態です。
そのバランスが崩れてくる原因は、多くは特別な出来事ではなく、毎日の体の使い方にあります。
立ち方や座り方、無意識に片側へ体重をかける、よく使う筋肉と、あまり使われない筋肉。こうした何気ないクセが、毎日少しずつ積み重なっていくうちに「なんだか左右が違う気がする」といった感覚として、体に表れてくることがあります。
実は、筋肉はあまり使われない状態が続くと、少しずつ痩せていきます。
また、圧迫された状態が続いている筋肉も、硬くなって動きにくくなり、結果的に使われにくくなってしまいます。
体はとても賢くて、本来の役割を担う筋肉が使いにくいと、別の筋肉でなんとか動こうとします。そのため、同じ動きをしているつもりでも、負担のかかる場所は人によって違ってきます。
例えば、お腹の筋肉がうまく使えていない方の場合、本来は腹筋で支えたい動きを、首や肩まわりの筋肉が代わりに引き受けてしまうことがあります。
その結果、首や肩が凝りやすくなる、というケースは施術の中でもよく見かけます。
こうした場合、首だけをいくらほぐしても、しばらくするとまた凝ってしまうことが多いので、「お腹の筋肉が使えるようになると、首が楽に感じることもありますよ」と、そんなお話をしながら、体の使い方を一緒に見直していくことも多いです。
普段あまり意識することはないかもしれませんが、私たちは二足歩行で、縦に長い体を使って生活しています。
上からは常に重力の影響を受け、前かがみで行う作業も多く、動きながら体を支えるという、実はなかなか大変なことを日常的に続けています。
そう考えると、体がまったく歪まずにいられる、という方が大変難しいことだと思います。
誰にでも体の使い方のクセはありますし、そこにその人らしさや個性も表れてきます。
私自身は、「歪みをなくすこと」よりも、日常生活に不自由が出ない範囲で、無理なくバランスを保てていれば、それで十分なのではないかと思っています。
今回は、体の話の“入口”のような内容になりました。
次回以降は、今回の内容をふまえながら、
歪みや運動、日々のケアの考え方について、少しずつ掘り下げていく予定です。
まずは今回の内容が、「自分の体って、今こんな感じなんだな」と
ふと立ち止まって考えるきっかけになっていれば嬉しいです。