体力が落ちてきたと感じたら|年齢に合った運動の始め方【後半】
名古屋・伏見エリアの鍼・灸・指圧の治療院『Lighpe(ライペ)』です。
前半の記事では、運動を「頑張るもの」として捉えるのではなく、これから先の生活を楽にするための準備として考えてみましょう、という視点についてお話ししました。
後半では、実際に体をどう使っていけばいいのか、運動を続けるうえで意識してほしいポイントなど、より具体的にお伝えできればと思います。
「何か始めなきゃ」と気負わなくても大丈夫です。
今の自分の体の声に目を向けるヒントとして、読み進めてもらえたら嬉しいです。
ジムに行かなくてもできる|日常生活で整える体づくり
特別な時間を取らなくても、日常の中で体は自然と動いています。
たとえば掃除。
雑巾を絞って四つん這いで床を拭いてみると、思っている以上に体を使っていることに気づきます。
こうした動きでは、体幹や股関節まわり、肩甲骨など、姿勢を支えるための筋肉や関節が自然と使われています。
昔は当たり前だったこの動作も、便利な道具が増えたことで、意識しないとしなくなりました。
最近では雑巾をきちんと絞れない方も珍しくないのだとか。
日常動作で使われる筋肉こそが、これから先の生活を支えるうえで、とても重要な役割を持っています。
以前の記事でもお話ししたように、筋肉は使う機会が減ると、少しずつ弱くなっていきます。
「最近疲れやすい」「動くのがおっくう」と感じる背景には、そんな体の変化が隠れているかもしれませんね。
運動しなきゃ、と身構える前に、まずは日常の中で体を動かせているかを振り返ってみてくださいね。
“やった感”と“必要な筋肉”は違う
運動後に「今日はしっかり体を動かしたな」という“やった感”があると、少し安心しますよね。
でも「動いた感じ」と、体が本当に必要としている動きが、必ずしも同じではありません。
年齢を重ねた体に必要なのは、一時的に力を出す筋肉よりも、姿勢を支え、動きを安定させる筋肉です。
いわゆるインナーマッスルと呼ばれる部分ですね。
この筋肉は地味で、“効いている感じ”が分かりにくいため、つい後回しにされがちです。
でも、ここがうまく使えていないと、体には少しずつ負担がたまっていきます。
激しい運動をしていても、インナーマッスルがあまり使えていない方はたくさんいます。
運動をしているのにポッコリお腹がへこまない、なんて方は、代表的な例かなと思います。
また、運動のあとに「関節など少し痛いけれど、動いた証拠かな」「もっと鍛えたら良くなるかも」そう考えてしまう方も少なくありません。
数日でおさまるような筋肉痛は気にされなくてもいいですが、違和感が続くときは単なる筋力不足ではなく、体のバランスや使い方の偏りが原因になっていることも多くあります。
そんな状態で無理に動き続けると、結果的に、好きな運動を休まざるを得なくなってしまうこともあります。
実際に、ジムやスポーツを頑張っていた男性のお客様が、「きつい運動こそ体にいい」と思い、調子が悪いときも動き続けた結果、股関節や腰に強い負担がかかってしまったことがありました。
さらに、運動やスポーツを長く続けていくためには、一度体を整えてから動く、という考え方も大切です。
実際に、体のケアとして鍼灸を取り入れながら、無理のない形で運動を続けている方もいらっしゃいます。
私が今まで施術してきた中で、80代で元気に通って来られる方の多くは、毎日のルーティンとして軽い体操をしている方がほとんどで、積み重ねの大切さを実感します。
これまでの内容をご覧になり、もしピンと来るものがあったら、体を整える選択肢のひとつとして、鍼灸への通院も視野に入れてみてくださいね。
大切なのは、どれだけ動いたかよりも、体を支える部分が使えているかどうか。
それが、年齢を重ねてからの運動のポイントです。
運動のレベルを上げる前に大切なこと
私が年齢を重ねた世代の方に一番お伝えしたいのは、「怪我をしないことが何より大切」ということです。
そのためにも、まずは基礎からしっかり取り組んでみましょう。
運動でも仕事でも、基礎は本当に大事です。
とても地味で「簡単すぎる」「つまらない」と感じてしまい、後回しにされがちですが、その“簡単なこと”こそが、体を守る土台になります。
基礎が整っていないまま負荷を上げると、体はどこかで無理をして、バランスを取ろうとします。
その結果、肩首や腰、股関節、膝などに負担がかかり、痛みにつながることがあります。
若い頃はカバーできていたことも、年齢を重ねると、同じやり方では通用しなくなってきます。
重さを増やすよりもフォームを整えること。回数を増やすよりも、丁寧に動くこと。
あとは、鍛えることだけでなく「緩めること」も大事です。固まっている筋肉は、そもそも上手く使うことができません。
年齢を重ねた世代の運動ほど、ステップアップよりも”質を高めること”を意識してほしいと感じています。
まずはこの一つから始めてみませんか
どうしても身体を動かすことに抵抗がある方に、まず私がお伝えしている「究極の体操」をご紹介します。
(こちらの記事「鍼灸師がすすめる|朝・昼・夜にできるお家セルフケア」でもご紹介しています。)
仰向けに寝て膝を立て、足は肩幅くらいに開きます。そこから、お尻をゆっくり持ち上げて、ゆっくり下ろす。いわゆる「ヒップリフト」という動きです。(*必ず瞬発的に行わない事。反動を使わず、ゆっくり行うこと)
とても簡単そうに見えますが、体を支えるために大切な腹筋や体幹をしっかり使います。
姿勢を保つ力が弱っている方は、この動きが思ったよりスムーズにいかないこともあり、当院でも、腰まわりに不調を感じている方の中には、難しく感じる方がいらっしゃいます。
日常生活に大きな不自由がなくても、体を支える力は少しずつ低下していきます。
一度やってみると、ご自身の今の状態に気づくきっかけになるかもしれませんね。
派手さはありませんが、特別な道具も必要ありません。
シンプルな動きを丁寧に続けることが、これから先の体を支えてくれます。
運動は、完璧を目指さなくて大丈夫です。私自身も、完璧にはできていません。
当院では、痛みだけでなく、日常の体の使い方やクセも含めて全体を見ながら整えています。その方の生活に合った、続けやすい動き方を一緒に考えていきます。
運動を続けるための土台づくりとして、必要なときに体を整える場所として、気軽に頼っていただけたら嬉しく思います。