楽しいことでも身体は疲れる?夏の終わりに見直したい「動く」と「休む」
名古屋・伏見エリアの鍼・灸・指圧の治療院『Lighpe(ライペ)』です。
お盆は、皆さんどのように過ごされましたか?
旅行や帰省をしたり、趣味の時間を楽しんだり。いつもより少しアクティブに過ごして、気持ちもリフレッシュできたという方も多いのではないでしょうか。
でも、休みが終わって日常に戻ったとき、
「楽しかったはずなのに、なんだか身体が重い」
「しっかり休んだつもりなのに、疲れが残っている」
そんなふうに感じていませんか?
「楽しいことだから疲れない」「好きなことだから身体にもいい」とは、必ずしも限りません。
楽しいことも、好きなことも、身体にとってはエネルギーを使う「活動」のひとつだからです。
今回は、東洋医学の「陰陽」という考え方を交えながら、「動くこと」と「休むこと」のバランスについて考えてみたいと思います。
「楽しい=疲れない」ではない
お客様とお話ししていると、ときどき、
「やりたいことをやっているのに、なんでこんなに疲れるんでしょう?」
というお話を聞くことがあります。
「あの日はすごく楽しかったし、疲れるようなことはしていないはず」と、旅行や趣味などが疲れの原因だとはなかなか思わないんですよね。
私自身もどちらかというと動くタイプなので、せっかく時間があるなら何かしたい、予定を入れたいと思うほうです。
好きなことや楽しみがあることは、毎日に張りを与え、人生を豊かにしてくれるものです。もちろん、それを我慢しましょう、ということではありません。
覚えておいていただきたいのは、好きなことや楽しいことでも、身体はちゃんとエネルギーを使っているということです。
楽しい時間は気持ちも高揚していて、その最中は疲れをあまり感じず、あとになって「思ったより疲れていたな」と気づくこともあります。
若い頃は多少の無理ができても、年齢を重ねるとそうはいきません。私自身も「これは身体にかなり負担をかけたな」と感じることがあります。
だからこそ、「好きなことだから大丈夫」と頑張りすぎず、楽しんだあとは少し身体を休ませてあげることも大切です。
また、楽しいことや刺激ばかりを求めていると、何でもない日常が物足りなく感じることも。
楽しい時間も、何気ない毎日も、どちらも大切にしていきたいですね。
「動く」と「休む」を東洋医学から考えてみると
私たちが普段何気なく繰り返している「動くこと」と「休むこと」を、鍼灸のベースとなる東洋医学の視点からも、少し考えてみたいと思います。
東洋医学には「陰陽」という考え方があります。
「陽が良くて、陰が悪い」というようなプラス・マイナスの関係ではありません。
例えば、太陽と月のように、どちらも必要で、お互いに関わり合いながらバランスを取っていると考えます。
これを私たちの生活に置き換えると、活動することを「陽」、休むことを「陰」と考えることができます。
そして、東洋医学には「中庸(ちゅうよう)」という考え方もあります。
「バランスが大切」といっても、いつも真ん中の状態を保つということではありません。
たくさん動く日もあれば、ゆっくり休む日もある。そんなふうに行ったり来たりしながら、自分にとってちょうどいいところへ戻っていく。この「揺らぎ」も、自然なことなのです。
いつも完璧なバランスを目指すのではなく、そのときの自分に合わせて調整していけるといいですね。
あなたはちゃんと「休めて」いますか?
お客様の中には、意外と「休むのが苦手」という方は多いように感じます。
せっかくのお休みだから何か予定を入れたい。何もしないまま一日が終わると、なんだかもったいない。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、身体のことを考えると、ときには「何もしない時間」をつくることも大切です。
そして、もうひとつ考えてみてほしいのが、「どんなふうに休んでいるか」という休みの質。
ソファでゆっくり過ごしていても、ずっとスマートフォンや動画を見ていたら、身体は休んでいても頭は働き続けているかもしれません。
ときには本当に何もせず、ボーッとする。そんな時間も、自分の身体をいたわるために必要なのだと思います。
そして、睡眠も同じです。
なかなか眠れないと、つい夜のことばかり考えてしまいますよね。でも東洋医学では、夜の睡眠だけでなく、日中をどう過ごしたかも大切にします。
日中の活動と夜の休息は別々のものではなく、お互いに関わり合っていると考えるからです。
「眠れないから何とかしなくては」と夜のことだけに目を向けるのではなく、「今日はどんな一日を過ごそうかな?」と日中の過ごし方にも目を向けてみる。
そして、「最近ちょっと予定を詰め込みすぎていたかな」と気づいたら、意識して「休む時間」もつくってみてくださいね。
今の身体に必要なのは「休む」?「動く」?
では、休めば休むほど身体に良いのかというと、そういうわけでもないんですね。
近年のような暑い夏は、「熱中症が心配だから」と外出を控えることもありますよね。でも、身体を動かす機会まで減ってしまうと、今度は筋力の低下につながることもあります。
もちろん、猛暑の中で無理に外出する必要はありません。家の中で身体を動かすなど、無理のない方法を取り入れてみてください。
大切なのは、「動くこと」「休むこと」のどちらか一方を正解にしないこと。これも、先ほどお話しした陰陽の考え方です。
「動きすぎ」も「休みすぎ」も、どちらかに偏りすぎないように。今の自分にはどちらが必要なのか、ときどき身体に問いかけてみてくださいね。
8月の終わりから9月頃になると、夏の疲れを感じて来院される方が増えてきます。
疲れは、自分では意外と気づきにくいものです。
私自身も先日、久しぶりに会った友人から「顔、疲れてるよ」と言われました。
ちょうど体調を崩した後で、自分では「だいぶ戻ってきた」と思っていたので、少しびっくりしました。
周りの人のほうが、先に気づくこともあるのだな、と改めて感じました。
夏の疲れを感じやすいこの時期、少し「休むこと」にも目を向けてみてください。
ご自身の身体と向き合う時間のひとつとして、鍼灸を取り入れていただくのもよいと思います。
頑張ることと、休むこと。上手に行き来しながら、心地よく秋を迎えていきたいですね。